【レポート】参加型の学びの場をデザインする

2024年7月28日(日)に久留米大学地域連携センター「つながるめ」にて、参加者の印象に残る「学びの場のデザイン」をテーマにワークショップを開催しました。

講師は当法人理事の井上広之氏でフィリピンでの教育支援プロジェクトに携わったときの経験や、会社員として日系企業のグローバル人材育成にあたった経験を交えて話をしました。

学びから行動を引き出すためには・・・

 参加者はイベントを主催している方が多く、地域住民を対象にしたプロジェクトや子どもたちとのワーク、中間支援の立場などから日頃の活動や課題を共有。
そんな話の中から市民活動のイベントは参加者に社会をより良くする行動を起こしてもらうためのツール(手段)という前提を確認できました♪
「知る」→「意識が変わる」→「行動が変わる」というプロセスを経ていくポイントとしては、活動の実績や具体的なエピソードなどのポジティブな変化共感や納得を得ていくことが挙げられました。

体験学習のポイント

まずは簡単すぎず難しすぎないチャレンジをしてもらい、振り返り(できたこと、できなかったこと)、学びを共有し、次のアクションへとつなげるサイクルを事例をもとに学びました。

参加者にどんなアクションを起こさせたいかがすべての起点となるとのこと。体験学習は上記のサイクルと合わせて、ファシリテーションの設計も大事なポイントとのことで、「明日からの実践のヒントになった」との感想もありました。


「所属や立場にこだわる参加者へはどう声かけしたらよいか?」
「言語化することに慣れていない方へのアプローチは?」
「参加者に最初に刺激を与えて心に鎧をまとうようにしてもらうか、
 逆にフラットな関係で対話できるよう鎧を脱ぐようにするか…」
などグループワークで参加者同士の体験などをシェアして深堀できました。

【イベント】参加型の学びの場をデザインする

【日 時】2024年7月28日(日) 13:30~15:30 ※15分前から開場
【場 所】つながるめ 5F 模擬法廷 (久留米大学御井キャンパス内)
【参加費】500円

【内 容】
 参加者の印象に残る「学びの場のデザイン」について一緒に考えるセミナーです。 活動を知ってもらいたい、共感してくれる仲間を増やしたいとワークショップやセミナーを開くけれど、『やって終わり』になっていることはありませんか。一方通行にならず、学び合う要素を取り入れながら、効果的に学ぶ場を作る具体的手法を探ります。受講後も学びが続く方法についてもグループワークをしながら一緒に考えます。

【対象者】
 市民活動などでワークショップやセミナーを企画・開催したり、予定している方。市民活動団体以外も歓迎。

【講 師】
井上広之(NPO法人coco change理事)
2016年よりNPO法人ソルト・パヤタスに参画。同法人で国内でのファンドレイジングやフィリピン現地での教育支援のプロジェクト運営に従事しながら、福岡に拠点をおく市民団体の活動支援にも携わる。
現在は東京の企業にて日系企業のグローバル人材育成を支援。NPO法人、企業それぞれで培ってきた場作りの経験を当日は皆様にお伝え致します。

【主催】NPO法人coco change お問い合わせはこちら

【レポート】「思いの伝え方 仲間の作り方」ワークショップ

開催日:2024年3月20日
場所:久留米大学地域連携センター「つながるめ」
主催:NPO法人 coco change
共催:武蔵野大学アントレプレナーシップ学部池本ゼミ

2024年2月20日、久留米大学つながるめで「思いの伝え方、仲間の作り方」ワークショップを開催しました。

 フィールドや年齢を超えて、課題の解決や自分のスキルを高めたいという思いで15人が参加してくれました。社会福祉事業所、市民活動団体、行政関係者など幅広い分野の仲間たち。コーチ陣は、NPO法人coco changeと武蔵野大学アントレプレナーシップ学部池本ゼミの学生の初コラボで行いました。
 初対面のよそよそしさと分刻みのスケジュールを受け取り、期待と不安が入り交じる午前10時。まずは、コーチ陣の紹介から。

 早速、コミュニティ・オーガナイジングの概要の講義からスタート。その後、みんなで守る約束決めへと進みました。「素直な気持ちで」「時間を守る」「置いてけぼりにしない」など思いやりある言葉が並びました。もしうまくいかなかったら「スクワット」「三々七拍子」しようねと。(皆さんの学ぶ意欲が高く、その出番はなかったけれど)。約束を決めてからは、ここに集まった同志として、むくむくと学ぶ意欲が高まってきました。

自分の中の壁に自ら気づく-コーチング-

 次の「コーチング」では、いよいよ参加者同士で実践スタート。ついついアドバイスしてしまいそうになるけれど、質問と言い換えで相手に気づきを促す方法に苦戦。「今までのフィールドと全然関係ないところに行って、仲間を誘ってみようかな。」「質問力って大事」といった次に繋がるような感想も。

思いの伝え方-ストーリー・オブ・セルフ-

「ストーリーオブセルフ」では、「困難」「選択」「結果」を交え自身の価値観を語ることに挑戦。2分間で伝える難しさに直面しつつも、情景や当時の思いを語り、共感を得ることで自身の価値観を再認識できている様子でした。 代表して3人の参加者が、できたてのストーリーオブセルフを語ってくれました。

仲間の作り方-関係構築-

次は、関係構築の講義です。「ストーリーオブセルフ」を通じて、互いの価値観に触れた参加者がペアになり、共通する価値観がないかを探りました。「なぜ、私は(あなたは)それを大切にしているのか」という質問から、本質に近づく会話を重ねる参加者たち。「どんな状況でも誰かとつながり合うことが大事」という価値観でつながった人もいました。

仲間の作り方-チーム構築-

 次は、「チーム構築」へ。今回は、参加者から「夢のようなチーム」「叫びたくなるようなチーム」のエピソードを募集。それぞれのエピソードを基に、チームを安定させるポイントと照らし合わせて分析していきました。チーム作りに悩む参加者からは、「早速、実際のチーム会議で実践してみたい」という声も。

輪になって一日を振り返る

 最後はみんなで輪になって今日を振り返りました。「今日、メモしたものを壁に貼っておきたい。」「もっと早く学びたかった。」「モヤモヤしていたものが前向きな気持ちになれた」など、自転車に乗った分だけ前に進めた感想が次々と。今回できた仲間との交流を深めていきたいという声も。ぜひ、明日から小さく実践して(自転車に乗って)いきましょう!
 今回は、コミュニティ・オーガナイジングの導入部分を中心にワークショップを開催しました。まだまだ、「ストーリーオブアス」や戦略の作り方など、学びのコンテンツがあります。本格的に学びたい人は、NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンが主催するワークショップを受講してくださいね。

文責:上原敬子(コーチ)

【レポート】あすばる男女共同参画フォーラム2023 「被災地岩手の女性たちが、10年で広げた産後ケアのキセキ」を開催しました。

2023年11月19日(日)、講師に特定非営利活動法人まんまるママいわて代表 佐藤美代子さんをお招きし、あすばる男女共同参画フォーラム2023県民企画「被災地岩手の女性たちが10年で広げた産後ケアのキセキ」を開催しました。
クローバープラザに2名、遠く北海道など全国各地からオンラインで7名、アーカイブ視聴15名、計24名の方に参加いただき、無事開催することができました。参加いただいた皆さま、この場を借りて改めてお礼申し上げます。
イベント案内ページはこちら

活動のきっかけ

活動のきっかけは東日本大震災でした。助産師でもある佐藤さん。自身の経験から、実母じゃなくても、家族じゃなくてもお母さんたちを支えられる、支えたいという思いで、6か月の娘さんを抱っこしながら被災地へ通いました。震災から3年が経ち、復興支援金がなくなってきた時に、このままでは活動を続けられないと思ったそう。

【宝くじに当たらなくてもやれる方法】
何かいい方法はないだろうか…と模索していた時に出逢ったのが、コミュニティオーガナイジング・ジャパン主催の「コミュニティオーガナイジングワークショップ」。このワークショップでは、成功するためのスキルではなく、仲間の作り方や組織を強くすることなどについて学びました。

【失敗しても大丈夫】【こけても大丈夫】
ワークショップをきっかけに、「失敗しても大丈夫」「こけても大丈夫」。佐藤さんはそう思えるようになりました。受けたケアをまた次の人へ、バトンを渡して循環していきたい。そんな佐藤さんの思いは今、サロンや産後ケアに参加した人たちが、まんまるいわてのスタッフとなって広がっています。

10年活動を続けて見えたこと

活動を【航海】に例えて話した佐藤さん。
・最初は進む方向が分からない
・航海には波がある
・仲間も増えたり減ったりする
・燃料が尽きそうになる
皆さんも、自分の団体や組織でも経験がありませんか?活動途中に「もう活動に参加しくない」、「辞めたい」という人がいたり、または自分自身がそう思ったり。


その時、佐藤さんは
✔私がダメなの?
✔こんなにいいことしてるのに何がいけないの?

と悩んだそう。船から降りてまた乗る人もいる。そうじゃない人もいる。『航海中だけど、船を降りる』人がいてもいい。自分の人生のフェーズに合わせて関わってもらっていいんだ。コミュニティオーガナイジングを学んだからこそ、悩みが軽くなったとも話しました。

最後に、佐藤さんから参加者へのメッセージとして、
私たちのすべての人が一人ひとりの生と性、こころとからだを大切に。
いのちを喜び支えあえる社会を目指して
広がれ 広がれ 岩手へ 全国へ

と締めくくりました。

講演のあと、参加者からは多くの感想が寄せられました。
・困難な経験をした人達の力を合わせたチームづくりを聞けて良かった
・登る山は違っても、同じ頂上を目指して頑張っていきたい
・コミュニティオーガナイジングは、失敗しても前に進めるつながりを作るための学びかもしれない
私達coco changeも、明日からまた頑張ろうとエネルギーをもらった時間でした。

開催にあたり、ご協力いただいた、佐藤美代子さん、福岡県男女共同参画センターあすばるの皆さま、特定非営利活動法人佐賀県CSO推進機構の皆さまに御礼申し上げます。

【ご案内】
まんまるママいわての10年の航海がわかる年記念誌はこちらからお申し込みを。
その他寄付も受け付けていらっしゃいます。
次のお母さんにバトンが渡るよう、応援していきたいですね。