2019年1月12日(土)にNPO法人coco changeとして勉強会を初めて開催。「なぜ」と聞かない質問術!事実を引き出す「メタファシリテーション」勉強会と題して、フィリピンの女性や子どもの教育支援活動をしている認定NPO法人ソルト・パヤタス事務局長であり、当法人の監事を務める井上広之さんがプレゼンターを務めました。今回の勉強会は、コミュニティオーガナイジングワークショップを受講したことのある方などを中心にどなたでも受講できるように公開し、福岡県内外から14人の方が参加しました。
メタファシリテーションは、ムラのミライの共同代表である和田信明氏と中田豊一氏が国際協力の現場で使える実践的なファシリテーション手法として開発した課題発見・解決のための対話術です。この手法がまとめられた著書「途上国の人々との話し方 国際協力メタファシリテーションの手法」(2010年)は口コミで広まり、青年海外協力隊など国際協力の現場で活躍する人の間で、必読の書となっています。
プレゼンターの井上さんは、フィリピンで支援活動を行う際に、「私たちの支援活動はあなた達の役に立っていますか?」というありがちな質問などにおいて、現地の方が忖度して答えてしまっていないか、事実と違う回答が引き出されているのではないかと疑問をもったそうです。そんな中でメタファシリテーションを学んだ井上さんは、「質問をされた人は、質問する側の理想とすることや一部の偏った事実だけで答えていることもしばしばある」と参加者に具体的な会話の事例を交えて話しました。
私たちの普段する質問の中には、事実を尋ねるものの他に「答える側の考えや見解を尋ねる質問」や「好みや思いこみを引き出す質問」があること、また経験や知識や存在の有無を確認するなど事実を引きだす質問の例などを紹介。参加者はメタファシリテーションの手順に沿って、ペアになってワークに取り組んでみて、「質問するのは難しい」、「自分の持ち物について、客観的な事実の部分を質問により引き出してもらった」、「仕事で部下へ質問するときにも役立つと思う」などの感想を共有しました。