【レポート】「思いの伝え方 仲間の作り方」ワークショップ

開催日:2024年3月20日
場所:久留米大学地域連携センター「つながるめ」
主催:NPO法人 coco change
共催:武蔵野大学アントレプレナーシップ学部池本ゼミ

2024年2月20日、久留米大学つながるめで「思いの伝え方、仲間の作り方」ワークショップを開催しました。

 フィールドや年齢を超えて、課題の解決や自分のスキルを高めたいという思いで15人が参加してくれました。社会福祉事業所、市民活動団体、行政関係者など幅広い分野の仲間たち。コーチ陣は、NPO法人coco changeと武蔵野大学アントレプレナーシップ学部池本ゼミの学生の初コラボで行いました。
 初対面のよそよそしさと分刻みのスケジュールを受け取り、期待と不安が入り交じる午前10時。まずは、コーチ陣の紹介から。

 早速、コミュニティ・オーガナイジングの概要の講義からスタート。その後、みんなで守る約束決めへと進みました。「素直な気持ちで」「時間を守る」「置いてけぼりにしない」など思いやりある言葉が並びました。もしうまくいかなかったら「スクワット」「三々七拍子」しようねと。(皆さんの学ぶ意欲が高く、その出番はなかったけれど)。約束を決めてからは、ここに集まった同志として、むくむくと学ぶ意欲が高まってきました。

自分の中の壁に自ら気づく-コーチング-

 次の「コーチング」では、いよいよ参加者同士で実践スタート。ついついアドバイスしてしまいそうになるけれど、質問と言い換えで相手に気づきを促す方法に苦戦。「今までのフィールドと全然関係ないところに行って、仲間を誘ってみようかな。」「質問力って大事」といった次に繋がるような感想も。

思いの伝え方-ストーリー・オブ・セルフ-

「ストーリーオブセルフ」では、「困難」「選択」「結果」を交え自身の価値観を語ることに挑戦。2分間で伝える難しさに直面しつつも、情景や当時の思いを語り、共感を得ることで自身の価値観を再認識できている様子でした。 代表して3人の参加者が、できたてのストーリーオブセルフを語ってくれました。

仲間の作り方-関係構築-

次は、関係構築の講義です。「ストーリーオブセルフ」を通じて、互いの価値観に触れた参加者がペアになり、共通する価値観がないかを探りました。「なぜ、私は(あなたは)それを大切にしているのか」という質問から、本質に近づく会話を重ねる参加者たち。「どんな状況でも誰かとつながり合うことが大事」という価値観でつながった人もいました。

仲間の作り方-チーム構築-

 次は、「チーム構築」へ。今回は、参加者から「夢のようなチーム」「叫びたくなるようなチーム」のエピソードを募集。それぞれのエピソードを基に、チームを安定させるポイントと照らし合わせて分析していきました。チーム作りに悩む参加者からは、「早速、実際のチーム会議で実践してみたい」という声も。

輪になって一日を振り返る

 最後はみんなで輪になって今日を振り返りました。「今日、メモしたものを壁に貼っておきたい。」「もっと早く学びたかった。」「モヤモヤしていたものが前向きな気持ちになれた」など、自転車に乗った分だけ前に進めた感想が次々と。今回できた仲間との交流を深めていきたいという声も。ぜひ、明日から小さく実践して(自転車に乗って)いきましょう!
 今回は、コミュニティ・オーガナイジングの導入部分を中心にワークショップを開催しました。まだまだ、「ストーリーオブアス」や戦略の作り方など、学びのコンテンツがあります。本格的に学びたい人は、NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンが主催するワークショップを受講してくださいね。

文責:上原敬子(コーチ)

【レポート】みんなのキセキ、集めました

勇気をもって立ち止まったからこそ、見えたキセキ

ぽかぽか陽気に包まれた2023年2月12日、『みんなのキセキ集めました』企画を無事開催することができました。

私達がNPO法人になって5年。コミュニティ・オーガナイジングのワークショップ、ミニワークショップ、勉強会、読書会などいろいろなことにチャレンジ。でもこの3年間はコロナと向き合い、手探り、時にもがきながら、自分たちの描きたい未来について考えてきました。

『私たち何も出来ていない』『私たち何がやりたいの』『このままでいいのかな』そんな焦りだけが募る日々。
そんな時、「何かを実施して進む」ことも法人としての大事な活動だけど、まずは「立ち止まって考え、自分たち自身を見つめる」ことをやってみようという選択をしました。勇気あるでしょ?
その様子はこちら(全7回)

そんな私たちの中から沸き上がってきたのが今回の企画。

共感する仲間を増やしているgocochi-Nextの松尾博子さんをお招きし、様々な『キセキ』を伺いました。

キセキはデパートの屋上で

最初は親の会のような形で活動をスタートした松尾さん。その後、久留米岩田屋の屋上で開かれた「そらフェス」をきっかけに他の子育て団体と出会い、当事者や親以外のつながりも大事と気づいたそう。 その後、コミュニティ・オーガナイジングにも出会い、支援者や学校関係者とも一緒に学ぼう、仲間を見つけようと行動します。 困難もたくさんあったけど「あきらめない」という気持ちだった、という松尾さんの話がとても印象的でした。様々な出会いの『奇跡』『軌跡』が今につながっているんだなと思いました。

個人&グループワーク①

ワークシートを使いながら、仲間集めについて個人で考え、その後グループに分かれて共有しました。会場とオンラインそれぞれでグループに分かれました。初めましてなのに会話が盛り上がります。

話せること自体がキセキだった

活動や団体を続けていく、広げていくときには、相手との関係を紡ぐことが欠かせません。まずは相手の思いや大切にしてることをしっかりと聞くこと。でもコロナ禍で、誰かと自由に、好きな時に会うのが難しい時期がありましたね。そんな中でもやはり顔を合わせる。相手と会って話をする『軌跡』もまた、不自由さの中で会える、話せる『奇跡』。その重なりこそ、これからもがんばろう、これ一緒にやってみようの原点になると感じました。

個人&グループワーク②

仲間集めの手段について個人で考え、その後グループで共有しました。興味関心が一致し、新たにつながりが生まれた人、近くに住んでいるのに初めましての出会いもありました。

最後に。

むっちゃんからご挨拶。代表者が話さなくてもいい、誰が挨拶してもOKな私たち。


3年ぶりにスイッチON

今回私たちcoco changeの『キセキ』をちょっとだけお届けします!久しぶりのリアルイベントということで、私たち6人も久留米、小郡、そして東京から、ここ久留米に集合。 画面越しではなく、すぐ横にいる。『奇跡』です!!6人でのランチは50分。近況報告もそこそこに、3年前のスイッチが戻って打ち合わせに没頭しました。
そんな私たちが会いたい人、話を届けたい人、近況を知りたい人に、イベントをきっかけにしながら、みんなでコツコツ声掛け。その『軌跡』もまた私たちの大事な大事な宝物だと実感しています。

松尾さんの『キセキ』、coco changeの『キセキ』。そして、リアルで、オンラインで参加してくださったみなさんたちの『キセキ』が何層にも重なりミラクルを起こすかも!?。実際に、東京と福岡で画面越しに縁が生まれた人もいたんです。これからも『キセキ』ストーリーが生まれてくると思うと、わたし達はとてもワクワクします。

参加者の中に起きたキセキ

「いや〜〜最高でした!!!元気になった!!
仲間集めの時に自信を持って声をかけるために、自分たちをちゃんと見つめることや、目指すこと、大事にしていることをみんなが話せるようになることなど、松尾博子さんやcoco changeのみなさんの生きた経験からたくさん学べました!
ハイブリッド開催で、こんなにスムーズで、オンラインが取り残されている感じもない進行は初めてです。内容も大事なことが盛りだくさんで、coco changeの本気を感じました。いいチームだな〜っ!
あと、gocochiの名前に込めた想いに近付いていると思いますか?って質問と、ひろこさんの即答がカッコ良すぎて、ああ自分もそんなふうになりたいなと思いました。」
(かなこ)

アンケートの感想をご紹介します。

  • いい企画なので、続けてください。
  • かなり丁寧に準備して構成されてる企画で驚きました。
  • 運営にも話題にも軸があって、聞き進めるうちに理解が進みました。ありがとうございます。
  • 改めて、C Oを実践したい。
  • 途中参加になりましたが、後半少しでも参加できて良かったです。優しいコメントでwelcomeを示してくださったむっちゃん、けいちゃん。ありがとうございます!! 学びとしては、私も気候変動活動家に、COを伝えていますが、実際に伴走がないと、なかなかCOの実践には結びつかないことが多いです。関係構築も簡単ではないので、やはりそれを乗り越えるために何かフォローアップは必要だと感じます。小さな細かいステップの設計はやはり必要ですね!!コロナでもがいたことも本当に共感しすぎて泣きそうでした。。
  • イベントの趣旨とは少しずれるかもしれませんご、自分の趣味の活動のなかで人を巻き込んでいくことについて、色々考えることができました。ありがとうございました
参加者や応援者と一緒に創り上げた2時間

仲間の応援に感謝

今回は、coco change初めてのハイブリットイベントにチャレンジ。みんくるの機材をお借りし、佐賀から秋山ご夫妻がお手伝いにきてくださり、スムーズに開催することができました。 事前の機材確認では、みんくるスタッフのざっきーに丁寧に説明していただきました。 また、当日は参加できないけれど、録画を視聴したい!と申し込まれる方も 。イベントページへのたくさんの👍️にも感謝でいっぱいです。ありがとうございました。

「みんなのキセキ、集めました」告知ページはこちら
(イベントは開催済。次回を乞うご期待)

なんと動画配信あり!

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
「あー参加したかったな」という思いでいっぱいだと嬉しいです。
そんな方に朗報!なんとお申込み&入金された方に、当日の様子を動画配信します。

【お申込みはこちらから】
視聴期間:~2023年4月20日
料  金:1,000円
申込方法:以下の①②ともに手続きをお願いします。(〆切:3月20日)
①Googleフォームで申し込む→「みんなのキセキ、あつめました」動画配信申込フォーム (google.com)
②peatixフォームで入金する→https://peatix.com/event/3519030/

①②が確認できましたら、coco changeから動画視聴URLを送ります。
※登壇者のご厚意により限定公開しています。視聴申込された方のみご覧ください。URLの転送はご遠慮願います。

動画視聴後の感想もぜひこちらまで。お待ちしています。
https://forms.gle/pze8pgRdeHGU4htQ8

【レポート】「ワタシサイズの一歩」~チームの力を引き出すリーダーシップをめざす~②(佐賀県立男女共同参画センター アバンセ)

2020年2月15日(土)に佐賀県立男女共同参画センターアバンセで、 地域女性リーダー養成セミナー「ワタシサイズの一歩」~チームの力を引き出すリーダーシップをめざす~ で、最終日となる3回目は当法人のメンバーの國武と上原が講師を務めました。

前週につくったストーリーを、参加者のみなさんがそれぞれブラッシュアップしてくることが宿題でした。自己紹介を兼ねてそのストーリーを一人3分ずつグループで共有。3分という短い時間の中で、前の週より時間を守って、より聞き手に伝わるよう自分の価値観や経験を織り込んだストーリーが語られていたようです。

次に國武より「チームの力を引き出すリーダーシップとは」をテーマに、コミュニティ・オーガナイジングで基本となっている、メンバー一人ひとりが力をつけて雪の結晶のように広がっていくスノーフレークリーダーシップについて伝えました。

その後に、参加者のみなさんが今までに経験した「夢のようなチーム」と活動がうまくいかない「叫びたくなるようなチーム」を書き出し、グループ毎に1つずつ発表しました。さらに良いチームのポイントにはどんなところがあるか、その条件、決定などをもとに機能しているチームについて学び、今まで経験したチームには、どの要素があったから夢のようなチームだったのか、どの要素があればもっと良いチームになれたのかを探していきました。

また國武が関わっているプロジェクトである「久留米10万人女子会」について紹介。これまでの活動を、機能するチームの要素に当てはめて振り返ってみると「一人ひとりの得意なことや成長させたい分野に基づいて、役割分担をしていなかった」と気がついたことを話しました。一方で、目的を明確にしていたり、事業計画をつくったり、定期的にミーティングを開催したりできていることも伝えました。

もう一つ、私たち「cocochange」の設立までの経緯や活動について上原から話をしました。その中で、団体運営していくときに抱えてきた課題やその課題にどう対処していったのかを具体的に紹介。定期的にミーティングをしたり、共有する目的を見直しながら丁寧につくったり、みんなで目的をイメージしながらロゴを考えたり、メンバー間の約束事をつくり守っていくことなど、チームが機能する要素をいかしながら活動を進めてきたことを伝えました。

最後にみなさんと円になって、今回の講座を受講して学びになったこと、気づいたことなどについて一言ずつ話をしていただきました。「うまくいっているチーム、その要素を改めて確認できた」「関わっているメンバーと意見が違って悩むこともあるが、ヒントになることが見つかったので良かった」などの感想が寄せられました。

【レポート】「ワタシサイズの一歩」~チームの力を引き出すリーダーシップをめざす~①(佐賀県立男女共同参画センター アバンセ)

佐賀県立男女共同参画センター「アバンセ」からのご依頼で、 地域女性リーダー養成セミナー「ワタシサイズの一歩」~チームの力を引き出すリーダーシップをめざす~ の連続講座にお招きいただきました。前週の2020年2月1日は、コミュニティ・オーガナイジングの参加メンバーでもある井上智美さんにより「ワタシサイズの私の生き方」をテーマに講義が開催されました。キャリアトランプも用いて改めて自分自身を見つめなおす機会となったようです。

そして、今回2月8日は「ワタシの3分ストーリーを考える」をテーマに、coco change山本と尊田で講座を担当しました。

参加者、女性18名。年齢も若者から経験豊富な先輩方まで様々な年齢の方々にご参加いただきました。先月の佐賀市民活動プラザ講座参加の方も数名おられ、嬉しく感じました。

 まずは、ワークシートを使ってお互いの自己紹介。皆さんのドキドキワクワク…「今日、ここに来た理由」が始まります。

 尊田からは「今、わたしがこの活動を続けている」原体験やそこから生み出された今の価値観についてストーリー形式でご紹介。スイミーを用いたコミュニティ・オーガナイジングの概要や歴史をお伝えしました。

続いて山本からも、現在の様々な活動と対照的に子どもの頃の控えめな姿、学生時代に抱えた思い、そこから生み出された今の価値観についてストーリー形式で紹介しました。

 ここからは、今回のテーマである「3分ストーリー」に入れたい要素について理論を交えて学びました。理論的な理解と感情的な理解を組み合わせて、初めて人は動くというポイント、価値観とは何かについて確認しました。

 価値観は感情を通じて伝わり、感情が行動に影響を与える。行動を邪魔する感情を、行動につなげる感情に変える要素を学びました。話の筋の場面では、最近、山本家の受験生に起きた困難について、具体的なエピソードを盛り込んで紹介。思わず参加者からのどよめきが起こりました。

 良いストーリーのお手本動画を見ながら、自分たちが何に気づいたか、どう感じたかについて意見交換。その後、モデルとして上原の3分ストーリーを聞き、3分で自分の伝えたい価値観が届く構造について体験し、どの部分が感情に響いたのかについて全体で共有しました。

 特に、coco changeからは、「自分が今、活動していない・・・けれど、今日をきっかけに自分が何を大切に生きているのかを何度も書き起こして、自分の軸を探していく。その軸を基に自分が今度は伝える・活動する側になっていく」という期待について伝えました。

いよいよ、3分ストーリーを語る時間!

 「楽しいことが大切」「人とのつながりに救われた」「性別によって機会が奪われないようにしたい」などなど、自身の体験を基に、価値観を語る練習をチャレンジしました。

 まずは、自転車に乗ってみる。自身を見つめなおす機会にすることの大切さを確認する時間となりました。

 「一人ひとりが個性や価値観を持っていて、一人の大人として持っていることが大切がという気づき、話を聞いてもらえるって心地いい。」「価値観を考えるっていうこと、行動するときには価値観があって判断しているということに気づけた。」「自分を話すって緊張するけれど、自分のことをわかってもらわないとチームづくり、戦略に結びつかないと思った」という嬉しい感想をいただきました。

【レポート】想いをつないで力を発揮する組織の作り方(佐賀市市民活動プラザ)

2020年1月19日(日)に佐賀市市民活動プラザで開催された人材育成のための機能・役割別研修「想いをつないで力を発揮する組織の作り方」にて当法人のメンバーが講師を務めました。

この講座では、市民活動を長年続けている団体やメンバーの入れ替わり頻繁な学生団体など、さまざまな団体が抱える「メンバーのモチベーションを向上させるにはどうしたらいいか」、「新しいメンバーとのコミュニケーションの取り方が難しい」などの課題を解決するためのヒントを伝えました。

まず、私たちcocochangeの活動の軸となっている「コミュニティ・オーガナイジング」という課題解決の手法の中から、1対1のミーティングスキルを通した関係の築き方(関係構築)について話しました。

「大切にしている想いは何か」、「どんなことに関心があるか」、「どんなスキルやノウハウ、人とのつながり等を持っているか」などに焦点をしぼって質問し、相手と自分の持っている想い、関心、資源と共通するものがあるかを探していくペアワークをしました。

「初めて話したが、共有できるものがあって嬉しかった」、「短い時間だったけれど、ぐっと距離が縮まったように思う」、「何気ない会話ではなく、焦点をしぼって質問することで本当の想いが聞けた」など感想が聞かれました。

次に、参加者の皆さんがこれまでに体験した「活動していて楽しかった、充実していた夢のようなチーム」と「活動を続けるのが難しく、悩みを抱えていて叫びたくなるようなチーム」を挙げてもらいました。

良いチームとして機能する9つの条件を伝え、皆さんの経験した夢のようなチームにあてはまっていた要素を見つけていきました。

また活動が継続し広がっていく組織づくりをめざして、1人だけがリーダーとして活動を担うのではなく、一人ひとりが役割をもち、力を高めながら雪の結晶のように広がる「スノーフレークリーダーシップ」について説明しました。

元学生団体の代表が事例として「性的同意」「性的自己決定権」を啓発する学生団体の活動の立ち上げから、メンバーの集め方、戦略の立て方などを紹介しました。

また、当法人の活動の成り立ち、これまでの活動とミーティングのやり方や目的共有の仕方などを具体的に話しました。

最後に参加者の気づきを共有すると、「組織づくりにも個人の価値観を引き出すことが大事と思った」「初めて聞く話ばかりだったが、学生団体の運営にも役立てていきたい」などの感想が寄せられました。