【レポート】対話と体験学習を交えた学びの場のファシリテーション勉強会

2019年4月14日にNPO法人coco changeとして2回目の勉強会を開催致しました。講師はcoco changeの正会員でもある、福島大学の高橋紀子さん。臨床心理士である高橋さんは現在福島大学で特任准教授を務め、震災の被災者や依存症、引きこもりの方など地域で孤立してしまう人たちの支援などをされております。今回は高橋さんが支援の場で活用している「グループアプローチ」について、ワークを交えながら学びました。

まず始めに、高橋さんがこれまで実施してきたグループアプローチを用いた支援モデルの紹介や、高橋さんなりに考察された「久留米型スノーフレーク」についての説明を受けました。久留米コミュニティには、本勉強会のキーワードでもある「コンセンサス(合意形成)」やそれに至るまでのファシリテーションにクセがあるというとても興味深い考察で、受講したメンバーも思わず頷きながら聞いていました。

後半は体験学習と対話のパートへと入っていきます。このパートではグループアプローチをするメンバーを「その場限りの関係ではなく、 これから一緒にやっていく「仲間/同志」 である(あるいはこれからなる)メンバー)と定義付けをしました。その前提で5人ずつのグループを作り「NASAゲーム」をしました。このゲームを終えたあとはペアになってゲーム中に強く意識してしたこと、逆に意識してしなかったことについて共有をし合いました。それによりファシリテーションにおける自分の強みと弱みを知ることができます。ここで高橋さんは「自分の弱みを改善するのではなく、弱みを補ってくれるもう1人のファシリテーターと組むことが重要」と仰っていました。

ワークのあとは具体的なファシリテーションの手法である、モデリング・発言の順番・ロールプレイ・レイアウトについてのレクチャーを受けました。このパートで高橋さんが強調されていたのが「自分は相手のことを知らない」「相手は嫌がっているかも知れない」という前提意識を持つということです。ファシリテーターが良かれと思ってしていることが、知らず知らずのうちに参加者の居心地を悪くしたり、傷つけてしまったりする可能性があるということです。また人によって物事を視覚・聴覚・体感覚で理解する人がいるということや、それぞれのタイプの人にはどうアプローチするべきかなどの非常に具体的な手法についても学びました。

最後に高橋さんは「ファシリテーションとは配慮を行動化すること」という言葉で勉強会を締めくくられました。私たちcoco changeにとっても、ワークショップ時のファシリテーションや日々のミーティングにすぐに活用ができる知識を沢山学ぶことができ、大満足な勉強会でした!講師の高橋さん、大変有意義な勉強会、本当にありがとうございました。

【お知らせ】自己探求講座 「心の種を見つけよう!〜ありのままの自分探し〜」

勉強会開催のお知らせです!
今回の勉強会はキャリアトランプを使った「自己探求」の講座です。自分の心を見つめて言葉にしていくことは、ストーリー・オブ・セルフを作るヒントにもなりそうです。まずは心の種を見つけにきませんか?

日時:11月20日(水)19時~20半
場所:久留米市民活動サポートセンターみんくる セミナー室1
定員:12名(先着)
参加費:1000円(当日ご持参ください)
お申込み:下記フォームより必要事項を入力して送信してください。
https://forms.gle/C13sq9MgXrt3is727
主催:NPO法人coco change

★内容
誰もが自分らしく夢を叶える“心の種”を持っています。
あなたの心の中にある種は、どんな言葉で表現できるのでしょうか?
今回は、キャリアトランプを使い、「言葉」を通じて
心のエピソードを引き出していきます。
素直なありのままの自己探求をすすめ、自己理解につなげていきます。

★講師
いのうえともみ
キャリアコンサルタント/キャリアトランプ認定ファシリテーター/育休後アドバイザー

 大手航空会社グランドホステスとして8年間福岡空港に勤務し、出産により退職。4年間の専業主婦を経て再就職。正社員を目指すも子育てしながら働く厳しさに直面し、パート、派遣、契約社員と転職しながらキャリアを積む。2008年「福岡県男女共同参画センターあすばる」に入職し「男女共同参画」の学びが大きな転機となる。女性リーダー育成事業「ふくおか女性いきいき塾」を担当し地元小郡市在住の塾生とコミュニティ「CORAL」を設立、地域課題の解決に向け活動を継続中。高齢者就業支援相談員としてフルタイム勤務の傍ら、自らの体験から「子育てしながら活躍できる社会の実現」を願い、女性のキャリア支援にも携わっている。

【お知らせ】対話と体験学習を交えた学びの場のファシリテーション勉強会

みなさん、ファシリテーションを学んだことはありますか?学んだことがある方は、実際の場面で生かすことができていますか?
実践に活かせる学びを得るには、ケーススタディやロールプレイなどの体験学習が有効とされます。

それと同時に、体験学習やグループアプローチ、演習や対話を交えた研修会、グループコーチングの実践などの現場で活動する人たちにとっては、その内容を説明する上での理論や伝えるためのプレゼンテーション能力も求められます。

現場に活かすには、体験的知と理論的知の両輪が必要になることから、現場に活かす学びの場では、体験学習と講義の両方をバランスよく組み入れるアプローチが有効とされます。

今回のワークショップでは、体験学習と講義の両方を組み込んだ学びの場において、工夫するファシリテーションの視点や方法について取り扱います。


【日時】2019年4月14日(日) 午後1時30分~午後3時30分
【場所】久留米市民活動サポートセンターみんくる 会議室1
【対象】体験学習やグループアプローチ、演習や対話を交えた研修会の講師、グループコーチングを実践する人、もしくはそうした学びの場づくりに関心のある人

【定員】先着20人
【参加費】1,000円(当日ご持参ください)

【申込み】申込フォームから氏名、連絡先を記載してお申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScuS2mtkdcojQqHCOMI1w95BM_xSRJIMROwsgSBx7M–WEikQ/viewform

【問合せ】NPO法人coco change 
 coco@cocochange.comまたはお問い合わせからお気軽にどうぞ。


【講師紹介】
髙橋紀子。
福島大学子どものメンタルヘルス支援事業推進室 特任准教授。臨床心理士。専門は臨床心理学、パーソンセンタードアプローチ、グループファシリテーション、コミュニティアプローチ。1977年、鹿児島生まれ。主な著書は、『グループ臨床家を育てる:ファシリテーションを学ぶシステム、活かすプロセス』(編著。野島一彦監修、ナカニシヤ出版)。

【レポート】事実を引き出す「メタファシリテーション」勉強会

2019年1月12日(土)にNPO法人coco changeとして勉強会を初めて開催。「なぜ」と聞かない質問術!事実を引き出す「メタファシリテーション」勉強会と題して、フィリピンの女性や子どもの教育支援活動をしている認定NPO法人ソルト・パヤタス事務局長であり、当法人の監事を務める井上広之さんがプレゼンターを務めました。今回の勉強会は、コミュニティオーガナイジングワークショップを受講したことのある方などを中心にどなたでも受講できるように公開し、福岡県内外から14人の方が参加しました。

メタファシリテーションは、ムラのミライの共同代表である和田信明氏と中田豊一氏が国際協力の現場で使える実践的なファシリテーション手法として開発した課題発見・解決のための対話術です。この手法がまとめられた著書「途上国の人々との話し方 国際協力メタファシリテーションの手法」(2010年)は口コミで広まり、青年海外協力隊など国際協力の現場で活躍する人の間で、必読の書となっています。

プレゼンターの井上さんは、フィリピンで支援活動を行う際に、「私たちの支援活動はあなた達の役に立っていますか?」というありがちな質問などにおいて、現地の方が忖度して答えてしまっていないか、事実と違う回答が引き出されているのではないかと疑問をもったそうです。そんな中でメタファシリテーションを学んだ井上さんは、「質問をされた人は、質問する側の理想とすることや一部の偏った事実だけで答えていることもしばしばある」と参加者に具体的な会話の事例を交えて話しました。

私たちの普段する質問の中には、事実を尋ねるものの他に「答える側の考えや見解を尋ねる質問」や「好みや思いこみを引き出す質問」があること、また経験や知識や存在の有無を確認するなど事実を引きだす質問の例などを紹介。参加者はメタファシリテーションの手順に沿って、ペアになってワークに取り組んでみて、「質問するのは難しい」、「自分の持ち物について、客観的な事実の部分を質問により引き出してもらった」、「仕事で部下へ質問するときにも役立つと思う」などの感想を共有しました。

【お知らせ】事実を引き出すメタファシリテーション勉強会

「なぜ」と聞かない質問術!
事実を引き出す「メタファシリテーション」勉強会を開催します!

日々の活動の中で同僚・支援者・地域の人に質問をする機会はとても多いと思います。
質問は相手の抱えている課題を整理したり明らかにしたりするために有効な手法の1つです。ですが皆さん、こんな経験はありませんか?
・なんて質問したら良いかわからない…
・質問の意図が相手に伝わっていない気がする…
・忖度して答えてくれている気がする…
・相手が答えるのに困っている…

そんな悩みを解決してくれるのは、意外にも「シンプル」な対話・問いかけかも知れません。事実のみを尋ねて、相手に考えさせず、思い出させる質問術。それが「メタファシリテーション」です。その1つのポイントは「なぜ」と聞かないこと。皆さんが普段多用しているであろう「なぜ」を一旦封印して、新しい質問の仕方について一緒に学びませんか?
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【日時】2019年1月12日(土)10時~12時
【場所】えーるピア久留米2F(男女平等推進センター)209研修室
【対象】これまでにコミュニティ・オーガナイジングワークショップを受講したことがある方
【定員】先着20人
【参加費】1,000円
【申込み】メールまたはお問い合わせにて、氏名、連絡先を記載してください。
【問合せ】NPO法人coco change
     coco@cocochange.comまでお気軽にどうぞ。
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★メタファシリテーション(対話型ファシリテーション)とは?
ムラのミライの共同代表である和田信明と中田豊一が国際協力の現場で使える実践的なファシリテーション手法として開発した課題発見・解決のための対話術です。この手法がまとめられた著書「途上国の人々との話し方 国際協力メタファシリテーションの手法」(2010)は口コミで広まり、青年海外協力隊など国際協力の現場で活躍する人の間で、必読の書となっています。メタファシリテーションは、身の回りの問題の解決にも有用です。例えば、家族や友人の悩み相談、職場での会議 や打合せ、顧客や患者、学生などとのやり取りを充実させることができます。

【プレゼンタープロフィール】
井上 広之 氏
認定NPO法人ソルト・パヤタス事務局長
NPO法人coco change監事

<ソルト・パヤタスへの関わり>
学生時代にスタディーツアーでフィリピンの貧困地区のパヤタスを訪問。その後1年間ソルト・パヤタスのフィリピン法人でのインターンも経験。大学卒業後は一般企業へと就職し、3年間産業メディアの法人営業を担当。2016年3月よりソルト・パヤタスへ入職。17年4月より現役職へ。国内でのファンドレイジングや広報・講演活動、組織強化などを担当。

<coco changeへの関わり>
社会人時代の2014年に東京でCOコーチ養成のためのワークショップへ参加。その後東京での一般ワークショップや福祉関係者向けのワークショップ、佐賀でのワークショップなどでコーチを経験。ソルト・パヤタスで培ったNPOの事務関係の知識を活かしてcoco changeの監事へ。